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(76) 昨天 晚上 吃
完
饭
是
我 洗
的 碗 。
昨日 夜
食べる 終わる ご飯 です 私 洗う の 碗
(昨日の夜ご飯を食べ終わったあとに茶碗を洗ったのは私です。)
(77) 他 电脑
坏
了 是
我 帮
他 修
好
的。
彼 パソコン 壊れる た です 私 助ける 彼 直す いい の
(彼はパソコンが壊れちゃった。直してあげたのは私です。)
(78) 他 睡着 了 是
我 把 他 昂
醒
的。
彼 寝る た です 私 把 彼 起こす 醒める の
(寝ていた彼を起こしたのは私です。)
(75) では、“是”の前に立つ文のあらわす行為が“是”の後に立つ文のあらわす行為の
あとに行われた行為であり、(76)、(77)、(78) では、“是”の前に立つ文のあらわす行為や
事態が“是”の後に立つ文のあらわす行為をもたらしたため、当然先に行われた行為ある
いは既に存在していた事態であることが言える。もともと“是”で始まる“是……的”構
文では、“是”の直後の部分が強調されるが、“是……的”の前に一つの文を置き、結び付
けて一つの文をつくる場合に、上の日本語訳が感じさせるよりも、その強調が弱くなるよ
うに感じられる。“是”の直後の部分が強調されるより、むしろ“是”の後に立つ文のあら
わす事実が強調されているように思われる。例えば、(75) を日本語に訳すれば、(75) の
( )内のものと「私は上海に行きましたが、父が列車の切符を買ったのです」といった
文の中間の感じである。また、これらは日本語に直訳にしたら、全く通じない日本語にな
ってしまう。例えば、下の(75) を直訳した日本語の文は変である。
(75)′*私が上海へ行くのは父が列車の切符を買ったのです。
また、“是”の直後には名詞がない表現も可能である。
(79) 我 脚 疼
是
走
路 走
的。
私 足 痛い です 歩く 道 歩く の
(私の足が痛いのは歩き過ぎたからです。)
(80) 他 咳嗽
是
抽
烟
抽
的。
彼 咳をする です 吸う タバコ 吸う の
(彼が咳をするのはタバコを吸い過ぎたからです。)
(79)、(80) においては、“的”はその直前の部分が“是”の前に立つ文の原因であるこ
とをあらわしている。この場合は、“的”の直前の部分が“VOV”の形でないと、あらわ
れにくい。例えば、(77) の例を次の文にすれば、成り立たない表現になってしまうのであ
る。
(79)′ *我 脚 疼
是
走
路
的。
私 足 痛い です 歩く 道
の
(私の足が痛いのは歩いたからです。)
また、これらを直訳した日本語の文は、やや舌足らずであろう。
(79)″ ?私の足が痛いのは歩き過ぎたのです。
(80)″ ?彼が咳をするのはタバコを吸い過ぎたのです。
上記の例において、すべての“的”フレーズの後に NP を加えることができないので、
NP の「省略」ではない表現だと考えられる。